2024年のアダルト動画サイト業界で最も危惧すべきニュースは、間違いなくクレジットカード会社からのアダルトサイトに対する決済拒否の問題だろう。
ご存知ない方もおられるかもしれないが、これはアダルト動画サイト業界に衝撃を与えている。
なんせVisa、Mastercard、American Express、Diners Clubなど世界的ブランドのクレジットカード会社がアダルトサイトでの決済を拒否し始めたのだから。
現状ではJCBはこの中には含まれていないようだが、業界の動きとしてこの流れは止められないかもしれない。
ニュースの発端、その理由
通常、ユーザーがアダルトサイトに関わらずネットで商品を購入する場合、クレジットカードでの決済が最も一般的と言えるだろう。
現在はクレジットカード以外にも銀行振込はもちろん電子マネーなど様々な決済手段が存在するが、やはり一番身近で簡単な決済方法はクレジットカードでの決済となるだろう。
このクレジットカードでの決済がアダルトサイトでは利用できなくなるのではないか?という事態が今年起こっていたのだ。
2024年の4月にそのようなニュースが流れ始め、実際にアダルトコンテンツ流通大手のFANZAを含むDMMグループが、世界的カードブランドの一つであるMastercardの取扱を中止した。「FANZA同人」においてはビザカードによる決済も停止している。
FANZAの場合、取り扱っているコンテンツが膨大にあるためどのコンテンツがNGでどれがOKなのか振り分けが難しい。それならいっそのことMastercardを使わなければいいじゃないか、との判断らしい。
また直接アダルトとは関係無いがニコニコ動画についてもMastercardの取扱を中止している。これも同様の流れによるものを匂わせる。
その他、NGワードを多く含むアダルトコンテンツを扱うECサイトにおいて継続を断念したサイトもあるとのことだ。
さて、一体なぜこのようなことが起こっているのか、というと、一言で言えば『それらクレジットカード会社のリスク回避のため』である。
「Pornhub」という巨大な海外のアダルトサイトの存在をご存知の方も多いだろう。
数年前に、このサイトで一部のユーザーが投稿した児童ポルノの動画が問題となり、2022年7月に米カリフォルニア州中部地区連邦地方裁判所によってサイト側は有罪判決を受けた。
そしてなんと、その決済を担っていたクレジットカード会社の『VISA』も共同被告、つまり『犯罪の幇助(ほうじょ)をした』として有罪判決を受けたのだ。
『幇助(ほうじょ)』とはつまりその犯罪を手助けした、ということ。いわば共犯者のようなもの。
VISA側ももちろん反論したが、有罪の判決を覆すことはできなかった。
『VISA』にしてみれば自分達が児童ポルノの犯罪の一角を担っていたとは、全く考えもしなかっただろうが、裁判所はそう判断したのだ。
どうやらそのことがきっかけで、2024年、VISAのみならずその他の世界的なクレジットカードブランド各社の『アダルトサイトの決済拒否をする』という流れが強まったようだ。
カード会社にしてみればアダルトサイトの決済など売上全体のほんのわずか数パーセントでしかないわけで、それに対してそのリスクは計り知れない。自身のブランド価値を大きく毀損(きそん)する可能性があるわけだから。そして実際に『共同被告(共犯者、犯罪幇助)として有罪判決も下された』わけで、これでは全く割に合わない。決済を拒否するのは当然のことだろう。
現時点(2025年1月)ではそれら全てのクレジットカード会社がアダルトサイトの決済を取りやめたわけでは無いが、現在も水面下ではアダルトサイト側とのやり取りが続いているようだ。
また、ここでアダルト動画サイトと言っても、カード会社側は全てのアダルト動画サイトのすべてのコンテンツを拒否しているわけでは無いようなのだ。
それらカード会社は『特定のキーワードを含む動画などのコンテンツ』の制限(削除)をサイト側に要請しているとのことだ。
『特定のキーワード』とはズバリ、『マニア系のキーワード』
ここでDLsiteというアダルトサイトの実例から、どのようなキーワードについてカード会社から削除要請が出ているのか推測することができる。
DLsiteとは主にマニア系のアダルトコンテンツを扱っているサイトで、このサイトにもカード会社からの前述の是正の要請に基づき、レギュレーション(「規則」「規制」「規約」「決まりごと」)に抵触する可能性のある描写や表現を含む作品の表示を制限するように依頼があったとのこと。
それに対してDLsiteが取った措置は『NGワードを他の用語に置き換えた』のだ。
これは笑える。
下記がDLsiteが自社のweb上でユーザーに対して公表した置き換えワード一覧である。
メスガキ→ざぁ〜こ♥
レイプ→合意なし
ロリ→ひよこ→つるぺた
ロリババア→ひよこババア→つるぺたババア
監禁→閉じ込め
鬼畜→超ひどい
逆レイプ→逆レ
強制/無理矢理→命令/無理矢理
近親相姦→近親もの
拷問→責め苦
催眠→トランス/暗示
獣姦→動物なかよし→畜えち
洗脳→精神支配
痴漢→総密さわさわ
調教→しつけ
奴隷→下僕
陵辱→屈辱
輪姦→回し
蟲姦→虫えっち
モブ姦→モブおじさん
異種姦→異種えっち
機械姦→機械責め
睡眠姦→すやすやえっち
催眠音声→トランス/暗示ボイス
笑ってしまうが、これで今回のカード会社からの決済拒否の問題を回避できると思っているのだろうか?
カード会社側はコンテンツそのものを制限(削除)するように要請しているわけで、これだとコンテンツはそのままで単に言い方を変えただけに過ぎない。全く小手先の対応であることは誰が見ても明白だ。
例えば『ロリ』というワードがNGだとして、それを『つるぺた』に変えたとしても、一時的にはカード会社の監視の目を潜り抜けることはできるかもしれない。
しかしそんなものは遅かれ早かれ、いずれバレることは子供でもわかる。やがて『つるぺた』もNGワードに含まれることになるだろう。
この問題はそんな小手先のテクニックでどうにかなるものでは無いように思う。
厳しい決断だろうが、コンテンツそのものを削除しなければ、それらアダルトサイトでのクレジットカード決済は今後危ぶまれる可能性は非常に高いと管理人は見る。
しかしながら上記に挙げたキーワードを中心としたコンテンツを配信しているサイトにおいては致命的である。
それらキーワードを含む動画を削除した場合、サイトとして存続はかなり厳しくなるだろう。キーワードを見るとわかるが、要するに『マニア系のコンテンツを扱っているサイト』はかなり厳しい状況に置かれているということになる。
マニア系コンテンツの代表格といえば『DUGA(デュガ)』
マニア系の動画コンテンツを配信している国内最大規模のサイトと言えばDUGAである。
DUGAも当然、今回のクレジットカード問題に直面している。現在DUGAのサイト内では『商品購入時の決済で利用できるクレジットカード名』を具体的に明示していない。
通常、アダルトサイトでは決済で利用できるクレジットカードブランドの名称を、商品の購入方法などの説明欄に具体的に記載しているのが普通だ。
当然、どのクレジットカードが利用できるのか書いておかないとユーザーは困ってしまう。しかしながらDUGAでは現在、自サイト(DUGA)の決済で使用できるクレジットカード名が書かれていないのだ。
この点についてDUGAのカスタマーサポートに問い合わせたところ、下記の回答が返ってきた。その一部を引用しておく。
利用できるクレジットカードについて、お客様の属性や決済のタイミングによって接続先の決済会社が異なることから、ご利用いただけるカードブランドも諸条件によって異なります。
とのことだ。
全く意味不明である。じゃあ具体的にどのカードが利用できるのか?これでは全くわからない。
しかしそう言わざるを得ない状況。サイト側はそこまで追い詰められた状況なのだろう。
『DUGA(デュガ)』を今すぐ購入すべき理由
DUGAで配信されている全動画本数。これは現在、とても不思議な状況になっている。
ログインする前とログインした後で動画本数が違っているのだ。
それもその本数の差異は『5万本以上』にもなる。
この差異の理由についてサイト側に問い合わせたところ、やはり今回のクレジットカード会社からの決済拒否の問題が起因しているとのこと。
つまりこの差異『5万本以上』の動画はクレジットカード会社からNGを出されたキーワードを含む動画なのだ。
DUGAへログイン後に表示される全動画本数は『17万本』。これに対してログイン前は『11万本』。
この差異は『5万本以上』となると、実に全動画の『3割』の動画がNGワードを含む動画となる。
それもこれはあくまで現時点でのことで、現在DUGAではどの動画がNGワードに該当するか調査中とのことである。
つまり今後、このNGワードに該当する動画はまだ増える可能性があるのだ。
この件について直接、サイト側に確認したところ、これらNGワードを含む『現時点で5万本以上』の動画は、今後カード会社からの要請に従って、サイトから『いずれ削除される』とのことだ。
削除の期日は未定であるものの、いずれ削除する予定とのことだ。
管理人は当初、DUGAは単にログイン前だけ、それらNGワードを含む動画を表示させず、カード会社からの監視の目を潜り抜けようとしているだけではないか?と考えていた。
しかしそうではないのだ。サイト側は実際に動画自体を削除する方向で動いているのだ。
これには私も本当に驚いた。DLsiteのように単に言い回しを変えて対応しようという姿勢とは全く違う。
だから、もしかこの記事を読んだあなたに言おう。
もしDUGAで上記NGワードを含む動画に興味があるなら『今すぐ買っておけ』ということだ。
サイトの売り物であるコンテンツ(動画)そのものをカード会社の要請に従って削除するというのだから。これは自分の命を削って差し出すようなものである。
命と言ったら大袈裟になる。なぜなら彼らのそのことで生き延びようとしているのだから。
だが致命的である。NGキーワードに挙げられたような動画はDUGAが最も自社の『セールスポイント』としてメインで扱っているマニア系の動画ばかりなのだから。
これを削除するというのだから、そこには相当の葛藤と覚悟があったに違いない。
まあ、外野がとやかく言っても仕方がない。兎にも角にもこれらの動画がいずれ削除されるのであれば、それらの動画に興味のある方は購入できる今のうちに購入するしかないのである。
注意点
さて、削除される前に動画を購入すべき、とは言ったものの、実際にその動画を購入してからその動画が削除された場合どうなるのか?
一旦自身のPCやスマホにダウンロードした動画は引き続きDUGA Playerを使えば再生可能である。
またDRMフリーの動画であればDUGA Playerすら必要ない。基本的にどの動画再生プレイヤーでもダウンロードした動画を再生することはできる。
しかしながら、もしその動画が削除された後に、自身のPCやスマホに保存していた動画を紛失してしまった場合、再度、購入した同じ動画をダウンロードすることは不可である。なぜならすでにサイト上からは削除されてしまっているのだから。
なので購入(もちろん『無期限』で購入した場合)して一旦保存した動画は、バックアップを取るなどして大切に保管する必要があることだけは言っておこう。